Paradeは終わらない

本気のエール、受け取って

2032に触発されて、思い出すこと

自分語りです。

そんなに重い話ではないけれど、あんまり明るくもない話。
私にも長いこと、ずっと会えないでいた友達がいた。ちょっと前にそんな友達と十数年ぶりに再会した。久しぶりに友達と会った私は、駅で彼女の顔を見た瞬間に号泣した。彼女は高校の卒業式の日に家出をして、それ以来の再会だったから。

地元で1番仲が良くて、バイト先も一緒で、高校は別のところだったけれど毎日夜遅くまでくだらない電話をしていたりした。
彼女がいなくなる直前も、家出をするから私とももう会えない、と軽い調子で電話で伝えられた。
なんとなく家を出る予感はしていたので、私も「事件に巻き込まれてニュースで居場所を知る、なんてことないように気を付けてよ」と笑いながら答えて電話を切った。
当時18歳の自分には、大きな覚悟をした友達になんて言葉を掛けたらいいのかなんて到底わからなかった。
それからも何度か、彼女からだったり私からだったり電話やメールのやり取りをしていた。それがある日を境に、連絡をとることが出来なくなった。
今思えば自分がもう少し上手くやれていれば、もう少し違う結果になっていたのではと思う。あの時のことを10年以上後悔していた。

真面目な話、友達が生きているのか死んでいるのかも分からない状況が数年続き、けれど彼女のことを忘れることはなかった。
私から連絡は取れないけれど、万が一彼女が私に連絡をするのではと思うとどんなにチェーンメールが多くても携帯の番号とメールアドレスはずっと変えられないでいた。

彼女と連絡が取れなくなってしばらくして、夢に彼女が出てきた。目が覚めて、その日が彼女の誕生日だったと気付いた。それ以来、彼女の誕生日には夢に出るようになった。
姿を消す前に彼女は「2年で戻ってくる」と言っていた。けど2年経っても戻らず、次第に彼女の夢も見なくなった。

そんなことがあったから、2032を聴くとなんとなくあの頃の自分とリンクしてしまう。
DMM VR THEATERライブで慎くんが語っていた、3月14日になると、今どうしているだろうかと思いを馳せてしまう、その気持ちを分かったような気になってしまった。

とは言え、私も基本的には陽気なただのオタクだ。曲を聴くたびにそんなことを思い出したりはしない。ドリフェスと出会った頃には、件の友達とは再会を果たしていたし、再会のその日もちゃんと終電を逃すまでみっちりしっかり語り合っている。
ただ、曲を聴くと私にもそんなことがあったとたまに思い出すだけだ。

補足をすると、家出をした彼女の両親はちゃんと然るべき場所へ届けも出していたし、私も親御さんには彼女の新しい連絡先を知らせていた。ただ親御さんが連絡を取る前に、私も彼女と連絡が取れなくなってしまった。
十数年ぶりの彼女からの連絡はFBからで、DMを見た私はやはり電車の中で号泣した。

「二度と会えなくなるなんて 想像できたなら また違う未来を選べたかな」
私も彼女と「もう二度と会えない」と思ったことが何度もあった。けどどうなるかなんて未来にならないと分からないことで。
たまに彼女と一緒に飲みに行ったりしていて、共通の友人の話になって「その話知らない!」「その時もう行方不明だったからね!」「そうだった!」なんて笑っていると、今の未来もそんなに悪くないと思える。